自分への「ご褒美」以外に、カネは動かない。

 今の日本の状況を、どうみるか?
 どんどん企業が、海外に事業展開しています。
 国内市場が飽和。
 厳しい価格競争。
 すでに、「文明のスタンダード」は、行き渡っています。
 人間は、自分が求めるものを提供してくれる人に、
 感謝し、報酬を払います。
 この原則に立ってみれば、
 
 今、一番欠けているものは、何でしょう?
 時代の閉鎖感で、 自分の無力感に苛まれ、
 欝状態があちこちで、深まっています。
 こうした中で、生きていることの、ありがたさ を
 リアリティーをもって、実感するには、
 生きている自分のすぐ隣に、死があることの恐怖を、
 いつも、認識していればいいのですが、
 今の社会は、それすらも、自覚させません。
 そして、生きている自分の存在が、どんどん希薄化していきます。
 しかし、そうした状況にあっても、
 どんな生き方であっても、「何とか、生き抜こう」 と、
 これにのみ集中していると、 
 生き抜いた今日、今週、今月 を振り返って、
 「おお、がんばったじゃないか」  と、
 自分自身を、ほんの少し、褒めたくなります。
 そうして、今の自分で、できるかぎりで、
 自分に対し、 「ご褒美」を、あげたくなります。
 その「ご褒美」とは、
 自分の存在や尊厳を、再確認してくれる、
 モノ、時間、体験、出会い です。
 ここにしか、今、おカネは、動きません。
 「ご褒美」には、いろいろな種類、段階、内容があるでしょう。
 少しでも多くの人が、これこそが自分への「ご褒美」だ、と
 感じられるものを、 どう、作り出すか、ですね。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。