チャールズ・フリン米国陸軍アジア大洋州司令官が来日し、30日岸信夫防衛大臣と会っていました。

満州亡霊たちの「夢の形見」のような、菅内閣の岸信夫防衛大臣。

今年5月には、赤スーツの自衛隊おたく芸人を市ヶ谷の防衛省の大臣室に招き入れて日本の防衛力をアピールしていましたね。この人の存在は安倍晋三を引き継いで、米中対立が喧伝される中、台湾防衛だ、中国との決戦だ、といって日本の防衛関係者からは、絶大な支持を受けていました。彼らの基本認識は、尖閣は日本の領土で、台湾は独立国。そして、彼らの最大のシンパは、台湾独立をもくろむ、旧蒋介石系統の人たちでした。この流れの中に、赤坂氷川神社の境内地に住宅を構える櫻井よしこ氏がいました。蒋介石と戦前の満州を結ぶのが麻薬関係の秘密ルート、すなわち青幇で、これは1920年代から始まっていました。彼らの一致した認識は、中華人民共和国の存在の否定です。

現在の北京政府は、必ず壊れる。内部からも分裂する。これは、信念であり、信仰にもなっていました。そのうえで、現在の台湾政府が、北京の統治権を奪回する。アメリカはそれを支援するはずである。

しかし、基本的に、彼らには国際政治上の事実誤認が二つありました。

まず、中華民国の総統で、台湾島に逃げ込んだ蒋介石は、台湾を中国ごくから独立した国家とは、認識していませんでした。中国大陸最古の王朝、夏から続く中華の伝統国家であるとし、その正統を示す、いわば中国版「三種の神器」にあたる「故宮文物」を、台北に抱え込んだままでした。李登輝の後を継いだ蔡英文が「台湾独立」を言うのでしたら、この中華文明の御物の継承権を、まず、自らが外すことが必要でした。彼女を支援する人たちは、今の大陸の共産党政権、特に、習近平政権を否定する郭文貴や余茂春がトランプ政権のポンペオと親しかったことに、アメリカにいる反共産党のグループと組むことで、大陸が政治的に必ず崩壊するはず、と思っていたのでしょうか?

次に、日本との関係でいうと尖閣問題があります。田中角栄と周恩来との間で、尖閣の領有権をめぐる合意事項(日本には領有権はない。施政権があるのみ)があったのを、小泉政権になって以来、外務省がこの両者の合意内容を記した公文書を改ざんし、あたかも、日本が領有権があると日本国民を完全に政権ぐるみで騙してきたのです。一方、江沢民は、尖閣を中華人民共和国の核心的利益と憲法に書き込み、日本の領有権主張を否定することを最優先にして、海軍力を強化してきたのです。

これは、東アジアに軍事緊張を作りたい戦争屋DSにとって、北朝鮮問題と並んで、利益を稼ぐ最大のネタでもあったのです。

トランプはペンスによって指摘された華為(フアーウェイ)問題の発覚以来、覇権を狙う動きを見せていた中国問題を政治課題にし、コロナ問題でも「武漢ウィルス」と主張しながら、対中強硬姿勢で、昨年の大統領選挙も進めてきましたが、そのときでも、北京とアメリカ金融筋(NY)は、米中金融円卓会議を繰り返していました。

その動きは、バイデン政権になっても続き、今年5月18日には、香港問題でも合意し、アメリカ国内に広がった中国の米ドルを大陸にもどしながらも、お互いに、金融面でのチャンスを広げる合意を得ていたのです。

これは、今年4月のアラスカでの楊ケツチ=ブリンケン会談の最中でも続いていたのです。アラスカでは、「中国には、中国の民主がある。もはや、120年前北京議定書時代の中国ではない」と言い放っていたのです。このあとに、ブリンケンの先輩格に当たるメイ元国務長官が訪中し、内の若い者が言葉を知らなすぎた、と関係修復に向かっていたのです。そのあとには、シャーマンという女性の国務次官補が訪中していますね。

しかし、これらの動きに対し、岸をトップに据えた日本の軍事防衛関係者は、「アメリカは、トランプからバイデンに代わっても、対中強硬姿勢には変わりない。なぜなら、日米が軍事同盟で、そこにイギリス、さらにインドまで入って、中国包囲網を敷いているではないか。そのとき、台湾海峡の有事には、日本が先頭に立つ」、とこう考えていたのでしょう。

彼らの頭には、この4月、5月の時点で、アメリカがアフガンから撤退したがっていることの意味をきちんと考え来なかったのでしょう。それは、7月28日に、天津で、王毅とタリバンの代表が公式に会い、中国側がタリバンに、テロ組織にはなるな、といったことの意味をちゃんとくみ取っていなかったのでしょう。

で、8月15日にタリバンが一気にカブールを制圧。また、日本の国内政局では、林検事総長が、安倍晋三による参議院選挙広島選挙区での買収工作の実態を完全に突き止めているとの情報が流れだし、安部の再々登板の芽がなくなったいた。

そのあとに、九州の反射組織、工藤会のトップに対する死刑判決。

アフガンに自衛隊機を出すも、一人も救出できず、隣国パキスタンのイスラマバードで、待機したまま引き返すしかない状態になった。

さらに、29,30日は、北九州では、陸上自衛隊と米国陸軍の「何某かの作戦」が進められた。その中で、アメリカ陸軍アジア大洋州の司令官チャールズフリンが来日し、30日、岸信夫大臣と会っていた。

日本の自衛隊が、アフガンでも、何か勝手なことをしたがっていたのを、アリリカ側がと止めに入っていたのではないか。

そのうえで、日本では、自民党の総裁選挙の日程が決まる。そして、今日、二階氏は、菅総理に対し、党の役員人事をいじってもいいと。このことの意味は、「自分が幹事長をやめてもいい。自分は菅政権を離れた立場で、総裁選挙にのぞむよ」と。

これは今のアメリカ側が望む、日本列島の政権とは、もはや、安部路線とは完全に手を切ったものになるということ。

チャールズフリンは、誰の下で、動いているのか? アジアでの戦争の火種を大きくしたがった日本版DSと安倍晋三路線。しかし、今、その日本版DSは、8月6~8日には、宇宙軍と通じる新時代DSとは、すでに、文明転換へと合意済み。日本の産業界・官界・既得権益層のみが、それが分からない。

今の日本の政局は、何層にもわたる、列島民の縛りを、解いていく過程そのものである。

<参考>

✨フリン陸軍大将(弟の方)岸防衛大臣を表敬訪問✨と見せかけての | lunaoptのブログ (ameblo.jp)

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。