私たち想像と創造ができる人間が、常に、今ここにある多くのイノチの響きとその始原を忘れない。それをすべての行動・言動の第一にするという生き方。それを、私たちは「瓊音」と呼んでます。そこでは、常に、分離感を持たないときに再確認され、その響き、周波数の中に浸っている精神性です、文化人類学では、「根源的紐帯」とも呼ばれるものです。
これを村田先生は、哲学・倫理を忘れたげ現代に対抗する、縄文道と呼んでいます。メールが来ました。
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皆様
「天災の凶暴化」に関する13日発出のBCC発信【後段】につきまして、次のような反響がありました。 「有難うございます。素晴らしいメッセージです。母性文化は縄文時代から日本の歴史に育まれていると思います。縄文道が提唱する処でもあります。日本の世界への貢献の柱にもなります」。
村田光平
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Sent: Monday, December 13, 2021 11:36 PM
Subject: FW: 天災の凶暴化
皆様
米南部と中西部で10日から11日にかけて竜巻被害が相次ぎ、米メディアによるとケンタッキー州で20人以上の死者が確認されるなど、少なくとも5州で計30人以上が死亡し、発生した竜巻は8州で50個以上と伝えられます。米メディアによると、ケンタッキー州で20人以上の死者が確認されるなど、少なくとも5州で計30人以上が死亡し、発生した竜巻は8州で50個以上と伝えられます。(ロイター通信は、発生した竜巻は6州で30個以上、少なくとも100人が死亡したと伝えております)。
天災の激甚化が言われ出しておりましたが、地球が直面するのは天災の凶暴化と言えそうです。
日本としては当然最悪の事態を想定し対応が緊急に求められます。
再稼働中(予定)の原発の運転中止がまず求められます。
フクシマ事故8年を経ての所感(2019年3月11日付)を改めて下記お届けいたします。
村田光平
(元駐スイス大使)
記
はじめに
世界に欠けているもの、それは哲学と倫理だと思われます。
福島の悲劇を生んだ原発にひそむ諸問題(廃棄物処理など)を放置しながらの再稼働
は不道徳、無責任を象徴するものです。大嘘に支えられてきた原子力政策を今なお改
めようとしない政府、電力会社など関係方面の罪深さを痛感致します。
特に、東京から110キロの第2東海原発の再稼働は、最悪の場合首都機能の麻痺を
もたらし日本の命運を左右し得うるものであり断じて認められません。
天災超大国の日本に原発を54基も建設した巨大な過ちの是正がいまだに行われてお
らず、大嘘が罷り通る日本の現状が嘆かれます。
1.母性文化と平和
最近の世相からは「天地の摂理」が実感されます。天地の摂理は 天の摂理(providence) に代わる私の造語です。哲学により究明される歴史の法則を意味します。これによれば不道徳の永続は許されないのです。想起されるのは老子の「天網恢恢疎にして漏らさず」という名言で、現に悪事が次から次に露見しております。
日本が直面する緊急課題は、傑出した専門家が警告する福島第一2号機の建屋及びすでに損傷している排気筒が震度7クラスの地震により崩壊し、その結果放射能が拡散し東京も住めなくなるという現実の危機への対応です。そのために一日も早く「不道徳」「放射能」東京五輪を返上し、福島事故収束に向けて全力投球することが求められます。
本来日本は和と連帯を特徴とする母性文化を有しておりました。明治維新後、軍国主義という形で競争と対立を特徴とする父性文化が導入されました。歴史は父性文化が最終的には破局に通ずるものであることを示しております。
福島事故は終戦後導入された経済至上主義という別の形態の父性文化が招いたものです。父性文化は福島という破局を生んだのです。和の母性文化は力の父性文化の治療薬です。母性文化的思考は世界平和の維持に不可欠です。
2.福島事故の教訓
福島原発事故は、そのもたらす惨禍は人間社会が到底受け入れがたいものであることを示しました。このような事故を生む科学技術は、その可能性がいかに少ないかにつき如何なる数値が援用されようとも完全にゼロでなければお払い箱にするべきであると、故ハンス・ペーター・デュール博士(元マックス・プランク原子力研究所長)は主張しました。福島事故からまず学ぶべき教訓はこの「ゼロ原則」だと信じます。
また、これに劣らず重要な教訓は経済重視から生命重視への転換です。福島事故は経済至上主義という父性文化がもたらした破局です。事故発生後8年を経た現在もこの教訓が活かされておりません。現在の力の父性文明の下では男性が主導的役割を果たしておりますが、この文明を女性も一層重要な役割を担う和の母性文明に移行させる必要性が痛感されます。
これらの教訓を踏まえれば、エネルギー問題は原発から自然エネルギーへの転換が取るべき選択であることは論を待ちません。世界がその方向に向けて大きく動き出していることについては多言を要しません。
3.日本の世界への貢献
このような世界が直面する危機は文明の危機と捉えるべきです。「倫理と連帯に立脚し、環境と未来の世代の利益を尊重する新しい文明」、すなわち母性文明の創設に取り組むべきです。「父性文化に立脚する力の父性文明」を 命に至上の価値を与える「母性文化に立脚した和の母性文明」に転換する必要があります。
この趣旨に賛同し、新たな組織を起ち上げ、女性の社会進出を奨励する動きが内外で始まっており、母性文明の台頭が実感されるに至っております。
4. 世界への三位一体の発信
日本は民事、軍事を問わない完全な核廃絶の実現を訴える歴史的使命を有するに至りました。地球倫理、母性文明及び真の核廃絶という三位一体の目標を追求しなければなりません。
母性文明の実現には三つの重要な課題があります。すなわち「地球倫理の確立」「真の指導者の養成」及び「経済至上主義に対する文化の逆襲」です。
地球倫理を支えるのは天地の摂理です。天地の摂理は多くの例示が可能です。「不道徳の永続は許されない」「盛者必衰の理」「絶対的権力は絶対に腐敗する」「いつまでもすべての人をだますことは不可能である」「善き思い天が助ける」などです。
「真の指導者の育成」については、真の指導者は人類と地球の将来に責任を持たなければなりません。知性のみならず感性を備えたこのような指導者を社会の全ての分野で育てることが肝要です。
経済至上主義の概念は仕事場での「リストラ」の例にも見られるように「人間の排除」をもたらしております。効率の追求の行き過ぎは人間の尊厳を損ない無視するものであります。AI(人工知能)の孕む危険性といえます。
人間性を回復するための文化の逆襲が痛切に必要とされております。
最後に、真の核廃絶については日本が原発ゼロを実現することが大前提となります。
困難に満ちた厳しい現実にかんがみれば楽観できません。しかしながら上述した天地の摂理こそ、人類と地球の将来に我々が希望を抱くことを可能にしているのです。
2019年3月11日
元駐スイス大使 村田 光平