村田光平「世界に欠けているもの、それは哲学と倫理だと思われます」。ならば、原発事故の最大の戦犯は?

以下、村田さんからメールを転載

皆様
8年を経た福島原発事故に関する所感をお届け致します。
世界に欠けているもの、それは哲学と倫理だと思われます。
福島の悲劇を生んだ原発にひそむ諸問題(廃棄物処理など)を放置しながらの再稼働は不道徳、無責任を象徴するものです。大嘘に支えられてきた原子力政策を今なお改めようとしない政府、電力会社など関係方面の罪深さを痛感致します。
特に、東京から110キロの第2東海原発の再稼働は、最悪の場合首都機能の麻痺をもたらし日本の命運を左右し得うるものであり断じて認められません。
天災超大国の日本に原発を建設した巨大な過ちの是正がいまだに行われておらず、大嘘が罷り通る日本の現状が嘆かれます。

1.母性文化と平和
最近の世相からは「天地の摂理」が実感されます。天地の摂理は 天の摂理(providence) に代わる私の造語です。哲学により究明される歴史の法則を意味します。これによれば不道徳の永続は許されないのです。想起されるのは老子の「天網恢恢疎にして漏らさず」という名言で、現に悪事が次から次に露見しております。
日本が直面する緊急課題は、傑出した専門家が警告する福島第一2号機の建屋及びすでに損傷している排気筒が震度7クラスの地震により崩壊し、その結果放射能が拡散し東京も住めなくなるという現実の危機への対応です。そのために一日も早く「不道徳」「放射能」東京五輪を返上し、福島事故収束に向けて全力投球することが求められます。
本来日本は和と連帯を特徴とする母性文化を有しておりました。明治維新後、軍国主義という形で競争と対立を特徴とする父性文化が導入されました。歴史は父性文化が最終的には破局に通ずるものであることを示しております。
福島事故は終戦後導入された経済至上主義という別の形態の父性文化が招いたものです。父性文化は福島という破局を生んだのです。和の母性文化は力の父性文化の治療薬です。母性文化的思考は世界平和の維持に不可欠です。

2.福島事故の教訓
福島原発事故は、そのもたらす惨禍は人間社会が到底受け入れがたいものであることを示しました。このような事故を生む科学技術は、その可能性がいかに少ないかにつき如何なる数値が援用されようとも完全にゼロでなければお払い箱にするべきであると、故ハンス・ペーター・デュール博士(元マックス・プランク原子力研究所長)は主張しました。福島事故からまず学ぶべき教訓はこの「ゼロ原則」だと信じます。
また、これに劣らず重要な教訓は経済重視から生命重視への転換です。福島事故は経済至上主義という父性文化がもたらした破局です。事故発生後8年を経た現在もこの教訓が活かされておりません。現在の力の父性文明の下では男性が主導的役割を果たしておりますが、この文明を女性も一層重要な役割を担う和の母性文明に移行させる必要性が痛感されます。
これらの教訓を踏まえれば、エネルギー問題は原発から自然エネルギーへの転換が取るべき選択であることは論を待ちません。世界がその方向に向けて大きく動き出していることについては多言を要しません。

3.日本の世界への貢献
このような世界が直面する危機は文明の危機と捉えるべきです。「倫理と連帯に立脚し、環境と未来の世代の利益を尊重する新しい文明」、すなわち母性文明の創設に取り組むべきです。「父性文化に立脚する力の父性文明」といえるものですが、これを命に至上の価値を与える「母性文化に立脚した和の母性文明」に転換する必要があります。
この趣旨に賛同し、新たな組織を起ち上げ、女性の社会進出を奨励する動きが内外で始まっており、母性文明の台頭が実感されるに至っております。

4. 世界への三位一体の発信
日本は民事、軍事を問わない完全な核廃絶の実現を訴える歴史的使命を有するに至りました。地球倫理、母性文明及び真の核廃絶という三位一体の目標を追求しなければなりません。
母性文明の実現には三つの重要な課題があります。すなわち「地球倫理の確立」「真の指導者の養成」及び「経済至上主義に対する文化の逆襲」です。
地球倫理を支えるのは天地の摂理です。天地の摂理は多くの例示が可能です。「不道徳の永続は許されない」「盛者必衰の理」「絶対的権力は絶対に腐敗する」「いつまでもすべての人をだますことは不可能である」「善き思い天が助ける」などです。
「真の指導者の育成」については、真の指導者は人類と地球の将来に責任を持たなければなりません。知性のみならず感性を備えたこのような指導者を社会の全ての分野で育てることが肝要です。
経済至上主義の概念は仕事場での「リストラ」の例にも見られるように「人間の排除」をもたらしております。効率の追求の行き過ぎは人間の尊厳を損ない無視するものであります。AI(人工知能)の孕む危険性といえます。
人間性を回復するための文化の逆襲が痛切に必要とされております。
最後に、真の核廃絶については日本が原発ゼロを実現することが大前提となります。困難に満ちた厳しい現実にかんがみれば楽観できません。しかしながら上述した天地の摂理こそ、人類と地球の将来に我々が希望を抱くことを可能にしているのです。
 
 村田光平  (元駐スイス大使)

参考:リテラの記事
何度でも言う! 安倍首相こそが福島原発事故の最大の戦犯だ!
第一次政権で津波による冷却機能喪失対策を拒否
https://lite-ra.com/2019/03/post-4599.html
<最終章を抜粋>:
そして、翌年、第二次安倍内閣が発足すると、安倍首相はこれとまったく同じ手口で、自分に批判的なマスコミを片っ端からツブシにかかった。枝葉末節の間違いを針小棒大に取り上げて、「捏造」と喧伝し、批判報道を押さえ込む――。さらに、読売、産経を使って、菅直人元首相や民主党政権の対応のまずさを次々に報道させ、完全に原発事故は菅政権のせいという世論をつくりだしてしまった。
 こうした安倍首相とその仲間たちの謀略体質には恐怖さえ覚えるが、もっと恐ろしいのは、彼らが政権をとって、再び原発政策を決める地位にあることだ。不作為の違法行為によってあの苛烈な事故を引き起こしながら、その責任を一切感じることなく、デマを流して他党に責任を押しつける総理大臣。そのもとで、反対を押し切って進められた原発再稼働。そして、まさかの原発新設議論の着手……。
 このままいけば、“フクシマ”は確実に繰り返されることになる。
(エンジョウトオル)

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この記事を書いた人

新井信介

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。