この国の今の形、必読インタビュー記事。孫崎氏と斑目氏。

2013年の日本の姿を証言する二つのインタビューが、ネットで紹介されていました。

一人は、元外務省情報局長の孫崎氏。 このほど、鳩山由紀夫氏が設立した東アジア共同体研究所の所長になりました。 『戦後史の正体』が現在、22万部を越えるベストセラーです。

もう一人は、 原子力安全委員長だった、斑目春樹氏の証言です。

一部抜粋します・

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孫先氏のインタビュー:

(TPPに関連し)  http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2881.html 

全ての、日本の経済活動の全てのものが影響される、そういうふうな状況で
 一番危惧されるのがISD条項と呼ばれているわけです。

 これ、英語でISD条項と言われると、何かさっぱり分からないようなんですが、
 Iは投資家
 Sは国家
 Dは、ま、紛争ですね。
 だから、投資家が国家を訴えられる制度ということなんです。

 どういう時に投資家が訴えられるかというと、
 投資家は日本とか、そういう市場に投資をいたします。
 その投資をする時に一定の投資の期待値というものを持つわけですね、
 「日本にお金を投資すればこれ位のものが期待できるであろう」と。
 ところがその国の法律、制度によってその投資が十分に獲得できない時には、
 その国の法律を訴えられるという制度なんですね。
 ということは基本的に国家の主権が無くなるという条項だと。

(報道のあり方)  http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2882.html

いやいや、NHKはね、思いがけずに今年の1月1日、NHKスペシャルの番組に出たんですよね。
 ま、多分この時も「なぜ孫崎を出したんだ」って相当クレームがあったんじゃないかと思うんですね。
っていうのは、考えてみると私が言っている事というのは、
なにも変わったことは言っていないんですよね。
私自身は極めて常識的な事を言っていると思っているんですけど、
「常識的な事を言えない空気」に今日本はなっていますから、

だから、常識的な事を言っている人を見つけるのが非常に難しいんですよね。 」

(日米関係・・・オスプレイ)  http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2883.html

 

要するにこの問題、非常に簡単なことはですね、  「今も続いている」というのは、
この間のオスプレイの時の野田首相の発言が面白いんですよね。

米軍の配備の問題については、日本側がとやかく言えない事になっています」という、
こうおっしゃったんです。

それからしばらくして、閣議で日本の、日本には航空法っていうものがありますよね。
「低いところは飛べない」  それは低いところを飛んだら一般の人の安全が危ないから飛べない。

この日本の航空法はオスプレイの飛行訓練には適用しないということを決めたんですよね。
ということを閣議で決めたんですよ。

それはね、「日本の法律よりも訓練の方が上だ」という事を認めている訳ですよ。
それは、じゃあどうなっているのか?というと、
基本的に安保条約がどういうものであるかというところからスタートしているんですね。

これはね、本当に皮肉なんだけれども、
いま、安倍政権が「主権回復の日」というのをやろうとしていますね。

(インタビュアー):28日ですね、4月28日。  主権を失った日ですよね。

孫崎:そう。 「主権喪失の日」
じゃあ、どうして喪失しているか?という事を説明すると、 それはね、米軍なんです。
米軍の有り様というのは、その前に独立した米軍をどうするか?ということで、
ダレスが来て交渉する訳ですよね。

そのダレスが交渉する時に
「自分たちのスタッフ全部を集めたのは、自分たちが必要とする軍隊を、
好きなだけの軍隊を、好きな場所に、好きな期間だけ置く事が我々の交渉の目的だ」
 と言った。
 

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斑目氏のインタビュー。

(2年前の原発事故直後について) http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37507 

班目 「官邸には最後に報告だけすればよいと思っていた。だけど東電が『電源車を自衛隊に運んでもらえないか』と頼んでいますから。これは官邸が「俺たちが動かなければしょうがない」と思うのは当たり前ですよね。だからERCと官邸の考え方とに、ものすごくギャップができてしまった」

──「PBS(プラント事故挙動データシステム)を使っていれば」「SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)が作動していれば」など仮定の議論以前に、3.11のような原発事故にはとても対応できない組織の欠陥がある。正常に作動してもとても駄目じゃないかという気がしてきました。

班目 「そもそも日本の防災計画のマニュアルが、全ての装置がちゃんと動くことを前提にしていますから、それがおかしいんです」

──それはひどい。

班目 「それが駄目になった時のことを考えるのが危機管理なのに『全てが順調に動く前提』とは何なのでしょう。全く危機管理ではないですよ」

安全委員会に保安院や官邸を指揮する権限はない

──例えばそうした時に原子力防災について分かる人がいなかった場合、松野(元)さんや永嶋(國雄)さんのようなOBに動員をかける仕組みというのは無理なんでしょうか?

班目 「それを菅さんはやり過ぎていろいろな人を連れてきてしまった。それより
も、情報がちゃんと流れていないというところに目を向けてほしい。政治家の方は今でも『すごい専門家だったら情報がなくても何か言えただろう』と思っていらっしゃる。
だけど情報がなければ我々も何も言えないですよ。ありとあらゆる可能性が出てきてしまって、もう答えられません

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。