BIS規制は今や昔。まことにだらしない日本資本主義の末路。青天井の資金供給。

昨日の日経に驚かされる記事があった。黒字予定だった日本の家電産業の代表企業パナソニックが7800億円の大赤字。工業化社会が終焉した日に合わせたのか、日銀は、とんでもない発表をした。デフレ脱却を名目に、日本国内の金融機関が、自分自身がどれほどの預金量をもっているかに関わらず、無制限に貸し出してもいい体制をつくりだした。

おいおい、昭和天皇崩御の年、1989年年末を頂点にした日本のバブルを終了させた、あのBIS規制は、一体どうなってしまったのか? それよりも、この資金はどこに流れるのか? 

日銀は10月30日、日本の金融機関からの貸し出しが進まない状況に、今後4年間、どれだけ貸し出しても、その貸し出し相等の資金を日銀から供給するといいだした。これは、実質的に、中央銀行である日銀が直接、マネーを貸す体制だ。4年間、10兆円の枠。金利は、0.1%。ノンバンクへの貸し出しでもかまわないという。

 この資金は、果たして、日本国内を活性化するのか? 

今まででも、日本企業は新規の事業投資に借りるところが極めて少なかった。例外となったのは、ソフトバンクが海外企業を買収するのに200億ドルを借り入れたように、海外進出、外国企業のM&A、海外事業の投融資だった。

 この資金を得た、「黒い眼の外人」が株式市場に資金を入れることはあるだろう。

一番肝心なのは、このやり方で、日本国内の経済が活性化するのか? 具体的に言えば、雇用が増えるのか? ということ。

いいか、白川よく聞け。           

それに、姿をくらました勝もよく聞けよ。

さらに、「天皇の金塊」資金の爺様も聞いてくれ。

 原発マフィアと一緒になって、放射能被害をごまかしたままでは、どんなに金融を緩めても、日本国内には、新たな資金の流れは起きない。

今、原発被害の実情を隠していることは、究極のPKO(プライス・キーピング・オペレーション)にあたる。あの1992年のバブル崩壊のあと、無理して、株価と土地価格を維持したやり方だ。

今があの時と違うのは、日本国民の生命そのものまで人質にしていることだ。この間、どんなに日銀を緩めても、このマネーは、海外に流れるばかりになる。しかも、日本人を、遺伝子レベルで、静かに殺し続けているのだ。 

しかしながら、この金融緩和措置が、日本企業の経営方式と技術力を、海外に広める作用があるのは確かで、これは人類全体でみれば、大きな貢献といえる。日本人のこれまでのモノつくりの姿勢や、企業活動に没頭する精神性が、世界中で見直されるすばらしい機会にはなる。これは、日本にとって、名誉にもなるだろう。

  しかし、問題は、ここからだ。

日本列島内が、経済的には、まったく、死んだままになる。

現実を自然科学の目で冷静に見つめないで、何も行動しない、アホだらけになる。 

もう、いい加減にしてくれ。

 きちんと、工業化社会の終りと、放射能被害の実態を、公表しろ。

そうすれば、何がおこるか?

 これまでの東京集中ではない、全く新しい需要が生まれる。

これは、積極的に、自分の命を護りながら、新たにセーフティーゾーンをもとめ、自分自身でそれを作り出すことを促すことになる。 しかも、その場所や空間を、個々人がこの世に生きた証になる、生き様の表現、文化の発現地にすることになる。

 福島を始め、東北関東のホットスポット付近での居住は、子供たちには絶対に推奨できない、と公式に見解を出すのみで、この国は、いっせいにベクトルが変わる。 

そのときに初めて、本当に、イノチからの再生が始まる。民間に寝ている資金も、動き出す。

 呪縛をかけている間は、大半の人間はアホバカテレビの低次元の刺激で、単なる消費動物として、日々は忙しく動き回るが、その人本来のもつ、感受性、創造性、自律性、芸術性、は、全く眠らされたままだ。

  逆に、本ブログを見ている皆さん。

今は、大変なチャンスになりました。 この人類史的な大転換の本質に気づいた人間は、今にもまだ汚れていない地方、それも、美しく、健康的な田舎に、自分の世界を築きましょう。

 セーフティーゾーン です。

もし資金に余裕があれば、少し広めに空間を確保して、後からくる同胞のために、設備や機能をそろえておくことで、これはビジネスチャンスにもなります。 ここを本来なら、政府が支援すべきです。

今、銀行は、青天井で資金融資してくれます。 あとは、資金を借り入れる人間に対し、どの程度の担保を求めるか、だけの問題になりますが。

日本の山野は今、東北・関東圏・さらに甲信越地方ででも、セシウム被害が出て
います。表土を剥ぐ除染のやり方では、全く解決しません。次々と新しい汚染が襲ってくるからです。 しかし、そうした中でも、場所と手段を選ぶことで、セーフティーゾーンを作り出すことは可能です。

 これは、西日本や北海道でもそうです。  ここから、日本の再生、新生が始まります。

土壌の放射能除去技術に関しては、実は、多くの種類・手段があるようですが、これを福島に持っていくと、特定のものしか採用されないという、政治的現実(民主党のさもしさと官僚の悪幣)があります。

 それならば、まず、自分たちの身近でそれを活かして、自分の生存空間を作りましょう。その上で、ホットスポットの人たちを、迎え入れることも、合わせて考えましょう。

日本の技術力、工業力、企業力、団結力、そして、思いやりの力が、本来、向かうべきはここです。

しかし、権力の座に坐った民主党の人間は、官僚に白旗を揚げるばかりで、これがまったく見えない、分からない。自民党は原発マフィアと一体だったために、離れられない。維新もみんなの党も、権力ばかりを目指すのでこの認識ができない。小沢一郎は「反原発」を選挙の手段にできると認識したが、ここまでは理解しない。あれは、すぐに、子分の岩手県知事にそれを指示した筈だ。

 もう、この国は、資本主義自体が、グジャグジャに弄ばされている。

もし、このブログをごらんの皆さんで、真剣に日本の現状と未来を憂いている企業家、資産家の方がおられたら、一報ください。 資金を海外に逃がすのではなく、一緒に、この日本国、日本人を再生させ、日本のもつ資産(文化も科学技術も)を最高に生かす方法を実践しましょう。

 キーワードは、   セーフティーゾーン。

 

 PS  以下は、3年前、民主党の政権発足時、私がこのブログで書いた内容。

  今、読み直すと、事態は、さらに深刻になっているのがわかります。

  そして、アメリカが仕掛けた「尖閣の国有化」が、東アジアの一体化を阻止する手段であるのが分かります。

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 <政権交代。近代日本の岩盤に亀裂が入った段階>。 2009 年 8 月 31 日 

 政権交代。 民主党が分裂しなければ、4年間は、絶対安泰。
 
 気になること、3点。

 ①司法(検察庁)が、どう動くのか?  きちんと働いてほしい。
   もう、自民党時代ではありません。
   
 ②税収が減っている中、 宗教法人に対する優遇を
   今後も続けていくのか?

 ③連合・自治労からの 雇用や賃上げ要求の前に、
   どんな事業を、政策(法律・補助金)的に支援していくのか?

 戦後の自民党は、アメリカの代官所でした。
 明治政府が作り出したアラヒト神による、中央集権国家は、
 アメリカに占領され、アジアを分裂させておく軍事強硬路線の
 下請けをしながら、 国内利権を官僚と作りました。
 
 これが、今、完全に消えていきます。

 これからは、 アジア一体化 路線です。

 これは、 人類全体にとって、覇権 の交代であり、進化・変態 です。
 
 今後の日本社会、まあ、とにかく、何が出てもおかしくありません。
 政治家・官僚・財界がらみの事件が、いろいろ考えられますが、
 ここでは、予断は、書けません。

 民主党に、どんな法律を作らせるか、それは、私たちの問題。
 
 これからの4年間は、 日本国民が、 自分が生きているこの国の、
 これまでの統治の「真の姿」を知り、 それを、どう変えるか、の哲学が
 問われます。

 もう、 独りよがりの「日本史」に、 甘えていられる時代では
 なくなりました。 

 すべては、「人類史」「世界史」の中で、
 日本国 と 自分自身 を考えましょう。  

 

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。