「教科書を疑え」。日本の基礎科学の高峰、本庶佑さんの、ノーベル医学生理学賞の受賞を心より喜ぶ。

京都大学は、東京大学と違って、森羅万象と真摯に向き合うという、学問の伝統が息づいているところです。

今回の本庶さんの受賞を、誰よりも喜んでいたのが、ips細胞で先にノーベル賞を受賞していた山中教授でした。

本庶さんは、
「教科書を疑え! 本当にそうなのか、自分で考え、確かめろ」が口癖です。

教科書とは、つねに、国家権力が、統治のために、政治的に作るものです。

今という時代に、国民に、どう、世界を、国家を、科学を、歴史を、理解させるか、一定の指針を出すものです。

自然科学についても、これまでの教科書を覚えて、それを、実行するだけなら、何の進歩も生まれません。

つねに、本当にそうだろうか? と疑い、自分で、考え、確認していく作業が人類の知見を高めてきたのです。
これは、大学では、当たり前の姿勢であり、本来、普通の人間でも、自分の人生を自分で創る、という意識があるのなら、これを、生涯、持ちつづける事が肝要です。

基礎科学は、特に、これが求められます。医療やエネルギーはそうです。
また、人類の活動の歩み、という、歴史や文明論・文化論に対しても本来こうあるべきで、一時代の一政府が決めた認識を金科玉条にするのは愚かなことです。

これこそが、科学的態度であり、つねに、その時々の常識、社会通念への挑戦でもあるのです。真理、真実の探求です。

実は、この姿勢は、ミトラの教えと通じるものです。

世界を認識する。神の領域・権能をどんどん解き明かし、それを、人間世界の想像と創造に生かしていく。
これは何も自然科学だけに限らず、人文科学でも同じです。
もともと、この両者は分けられたものではありませんでした。

国家の成り立ち、「神」、「マネー」、「価値」、「幸福」などの理解も、目指すべき姿も、つねに進化し続けるのか、人類の営みです。

基礎医学における本庶さんの偉大さは、内外の医学研究者はみんな知っていましたが、一般人は彼が開発した薬「オプジーボ(免疫療法)」の恩恵を受けた人以外には、あまり知られていませんでした。

日本には経済的な窮状に耐えながら、自分が決めた課題に、まじめにコツコツ努力している研究者が列島各地にいますが、その研究に一定の成果が出ても、それが製品として形にならない限り、あまり話題にならないのが、現実です。

しかし、この9月末からそうした本物の実力者を、この日本でも、どんどん取り上げようとの機運が始まったのでしょうか?そうならば、ほんとうにうれしい。

9月30日には地上波テレビが、オノヨーコの妹の小野節子さんを取り上げていました。母が安田財閥の出身ですから経済的にも恵まれていた方ですが、聖心女子大を卒業後、スイスのジュネーブ大学を経て世界銀行に入行し、上級研究員に進んだ小野節子さんは、途上国開発の分野で、世銀の中に、日本人の良心を植えこんだ、ともいえる存在でした。
私の知人の娘さんにも聖心女子大からケンブリッジ、そして世銀に進んだ人がいます。

地上波TVは、国民洗脳のアホバカメディアではありますが、列島民を真に勇気づけさせてくれる存在を、どんどん紹介してくれることを希望します。

そして、何のためにマネーはあるか十分考えさせ、その使い道、使い方を教えてくれる番組がどんどん出てくることを期待します。

未来のためのリスク・マネーを出せる、エンジェルがそこかしこにいる時代になることを、祈るばかりです。

そうそう、すでに、信頼資本財団がその一つでした。

熊野さんの周りには京都の学者さん学生さんが多く集まり、人間活動と企業、そしてマネーをどう生かすか、「そもそも談義」が何度も開催されていました。
熊野さんの会社アミタは上場企業「アミタホールデシング」となり、https://www.amita-hd.co.jp/vision/
放棄された土地・田畑はもちろん、世間に埋もれている人材や才能まで含めて、「未利用資源の再活用」が信条です。
 
本庶教授も、生命医学ための財団か基金を創設とか。
「二人に一人が癌になる時代」の生命環境を変えるための、基礎科学も対象にしていただきたい。
 
 
 
 
 
 
 
 

 

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。