「福島第一放出セシウム137 広島原爆168個分」

以下、東京新聞を転載します。
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福島第一放出セシウム137 広島原爆168個分
2011年8月25日 07時08分

政府が、東京電力福島第一原発の1~3号機事故と、一九四五年の広島への原爆投下で、
それぞれ大気中に飛散した放射性物質の核種ごとの試算値をまとめ、衆院科学技術・イノベー
ション推進特別委員会に提出していたことが分かった。
半減期が約三十年と長く、食品や土壌への深刻な汚染を引き起こすセシウム137の放出量
を単純比較すると、福島第一原発からの放出量は広島原爆一六八・五個分に相当する。

福島第一原発事故は今年六月の国際原子力機関(IAEA)閣僚会議に対する日本政府報告書、
広島原爆については「原子放射線の影響に関する国連科学委員会二〇〇〇年報告」を基に試算
されている。

セシウム137の放出量は、福島第一原発1~3号機が一万五〇〇〇テラベクレル(テラは一兆)、
広島原爆が八九テラベクレル。このほかの主な核種では、福島事故で大量に飛散したヨウ素131
(半減期約八日)は、福島が一六万テラベクレル、広島が六万三〇〇〇テラベクレルで、福島は
広島原爆約二・五個分。半減期が約二十八年と長く、内部被ばくの原因となるストロンチウム90
が、福島が一四〇テラベクレル、広島が五八テラベクレルで、広島原爆約二・四個分となる。

ただ、政府は特別委に対し、福島事故と広島原爆との比較自体には「原子爆弾は爆風、熱線、
中性子線を放出し、大量の殺傷、破壊に至らしめるもの。放射性物質の放出量で単純に比較する
ことは合理的ではない」と否定的な考えを示している。

試算値は川内博史衆院科学技術・イノベーション推進特別委員長が八月九日の同委員会で
「広島型原爆の何発分かを政府として正確に出してほしい」と要求していた。
(東京新聞)

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。