明日から日本の夏のクライマックス。

明日は6日。ヒロシマの日です。日本に、なぜ、原爆が落とされたのか?
しかも、3日後には、ナガサキにプルトニウム弾が落とされました。
日本を降伏させるためだけなら、原爆は、本来、落とされる必要がなかったものです。
すでに日本の皇室では前年12月の段階で、京都仁和寺で降伏が話され、昭和天皇の退位
から高松宮の即位が決まっていたのが、本土決戦を言う軍の反対で実行されず、延期され、
この間、東京空襲、そして原爆投下、さらにシベリア抑留の悲劇となりました。
昭和天皇は、原爆については、「まことにやむをえぬ事情により」と話しましたが、
実態はなんだったのでしょうか?
戦後の世界経済は、ヒロシマの原爆投下の一年以上前の1944年7月22日に、
連合国の代表がアメリカのニューハンプシャー州のヴレトンウッズ村に集まって、
FRBの発行する米ドルを基軸通貨にして、1オンス35ドルの金本位制を決めましたが、
このとき、昭和天皇や当時のイギリス大使だった吉田茂がどう関わっていたのでしょう。
吉田は日本を戦争終結に導く人物と目され、アメリカから「ヨハンセン・・・吉田・反戦」との
暗号名がつけられていましたが、もともと英語が苦手であり、ロンドン滞在中からその傍ら
には、きっと通訳官として白州次郎がいたはずです。
白州の父親が鬼塚氏の指摘どおり、ポール・ウォーバーグ(クーン・ロエブ商会代表でヤコブ・
シフの後継者)であるなら、この人物はFRBの創設者の一人ですから、このとき、戦後システム
を再構築する具体案が、昭和天皇と、ウォーバーグのボスのロスチャイルド(日露戦争で日本に
戦費を出した)、さらにバチカンとで、練られていたと考えられます。
「ヴレトンウッズ会議を主催したのは、実は、昭和天皇だ。
 そのときの受付係りが、まだ学生だったグリーンスパンだった。」
 
私にこう話したのは、上智大学卒業後、バチカンで17年間学んだ中山法元さんでした。
今の世界経済は、このときのヴレトンウッズ会議での課題をはるかに越えた次元での
深刻な問題に直面しています。今回は、文明の存続と、人類の生存にも関わるのです。
1944年の夏の段階で、昭和天皇の穏やかな退位が決められていたのが、それから一年、
アメリカの奥の院(海賊の末裔、スカル&ボーンズ)が狙い通り、日本の天皇家の財産
(金塊に由来する資金)を押さえ込んで、それを自由に使える立場を確立するために、
多くの悲劇が襲いました。
その最後に、ポツダム宣言受け入れから、8月15日の終戦になったわけですが、この日は、
1971年には、ニクソンが、金本位制を停止した、ニクソンショックの日でもありました。
今回も、これから、その終戦記念日までに、大きな事件が起きかねません。
世界中で火山の噴火が活発化しいます。日本、チリ、アイスランドだけでなく、
地中海でも、7月にはイタリアのシチリア島エトナ火山が溶岩を流しだしています。
これに、福島原発でメルトスルーした放射能が地下浸透し、さらに地殻を激しく刺激し、
地震を誘発します。
こうした中、今、私たちは、先祖供養の「お盆」を控えています。
(お盆は正しくは盂蘭盆会(うらぼんえ)といい、これは元々は、紀元前のアケメネス朝
ペルシャ時代より前に始まった、ゾロアスター教に基づく「死者の魂(ウル)救済の儀式」で
した。この儀式は、2世紀に大月氏(クシャーン)国で、仏教の習慣に取り入れられた後、
日本では657年に斉明天皇が即位3年目に初めて執り行いました。当時は、その前年に、
山代(京都)の八坂郷に八坂神社の起源ができていました。不比等が奈良に遷都したあと、
聖武天皇のときに広く認知され、平安時代に貴族の各家で行われるようになり、京都で
五山送り火が行われる江戸時代に、全国に普及し、風習になりました。)
今、日本に放射能が猛威をふるい、人類の金融システムが崩壊寸前のなか、このお盆では、
自らの先祖だけでなく、これまでの人類の歩みと、全てのイノチのことを考えていたい。
一方、人間社会が、通貨を追い求める限り、またまた、天皇家の金塊をめぐって、
さらに大きな悲劇があるのかどうか?
「国家」のことを思うと、気が滅入ります。
きちんと監視し全員で統治に参画しないと、利権と格差(差別)、対立を増殖させるからです。
明治以降の近代化で国家権力とともに貴族化し特権を持った人間たちを、戦後の日本統治
に利用したのがアメリカでした。その代理人になったのが、自民党でした。ここには、
アメリカに対し、完全服従の福田派(清和会)と、独立派である田中派がありました。
この両者の間で、じょうずに立ち回ったのが、原発導入の立役者の中曽根康弘でした。
そうした戦後体制の中で、一貫して、自分達は「奪われ続けた」「割を食っている」と
感じている人間たちが、民主党政権の最大の支持者だったことが、はっきりしてきました。
しかし、恨みからは、富は、他人のものを奪うことはあっても、新たに生まれることはない。
富は、あくまでも信頼に基づいた、ひたむきな汗によってしか、新たにうまれないから。
今回の米国のデフォルト回避は、表面の金融システムの維持で、ほんの一過性のもの。
そして、国家の利権と、国家間の対立 の実態が、どんどん浮き彫りになります。
日本の夏のクライマックスは、何が起きてもおかしくない。
もちろん、それ以降も。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。