戦後のアメリカによる日本占領戦略をきちんと知らないから、何も変えられない。

 昨年夏、民主党政権が誕生した時、「東シナ海を、平和の海に」としたはずが、
菅内閣になって、一気に「緊張の海」に変わってしまいました。
 何が原因か?
 沖縄を日本に返還する1972年、尖閣諸島をこれまでどおり日本の領地としながら、
その前年に、キッシンジャーが北京に入り込んで、中国側にもここの領有を主張することを
認めていたのが、原因です。
 あえて、紛争状態を作る。 これが、アングロサクソンの一貫した戦略です。
 鄧小平も田中角栄も、これを分かっていた。だから「棚上げ」した。
 日本政府は、実効支配していたから、中国を刺激しないこと のみを考えていた。
1989年の天安門事件で中国は民主化を強引に封じ込め、国際環境は四面楚歌になったが、
92年の天皇訪中を切っ掛けになんとか国際社会に復帰し、以後、大胆な経済改革で、外資を
呼び込んで経済成長し、この尖閣の領有を目標に、じわじわと海軍力の増強を目論んできた。
アメリカはそれを、ずっと黙認してきた。 
 中国海軍は、あとは、如何に、上手に(戦争をおこさずに)ここを掠め取るか、を考え、
台湾・香港などの中華系のシンパを取り込んで、この海域での既成事実を積み上げることに
していた。
 2010年。リーマンショックから2年後。 尖閣で、日中が衝突した。
今、しきりに、中国は、「自分達は、アメリカを敵と考えていない」という。
日中が、もめている状態が、アメリカには、最高に都合がいい。
さて、こうした中、そのアメリカの意図と、冷酷な国際関係を知り抜いている小沢一郎が、
完全に、日本の一般国民から嫌われてしまった。もちろん、一部には、物事の真相が分かる
者がいて、小沢に対する熱烈な支持者もいる。
 しかし、今の、問題。 
このままでは、来年度予算が通らない。 衆議院の三分の二でも、否決される。
解散と引換えに、予算を通す、というのが、これまでの通例であり、一般の見方。
自民党は、公務員の給与削減を公約にしだした。
来年の統一地方選挙は、衆議院選挙も一緒になる可能性が出てきた。
日本には、国内問題(景気・年金・医療・教育)も多いが、国境紛争はそうした議論を
すべて吹き飛ばしてしまう。
台湾・韓国を味方につけて、アメリカを押さえ込みながら、中国との間に決着をつける。
政治的には、これは、難事業だ。荒業がいる。  でも、乗り切るしかない。
中国国内の貧困・格差・環境・劣悪な医療事情・幹部の隠しカネ、こうしたものを組み合わせて、
米中両国と同時に、相撲を取れる人間は、民主党にも、自民党にも、経済界にもいない。
共産党の弱点と、中国人の本性を知らないことが、すべて。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。