「大学は出たけれど」。 大学とは何のためにあるか?

 中国で、共産党大会開催中に、内陸部の学生たちがデモ。
表向きの名目は、「釣魚台(尖閣諸島)を守れ」で、日本排斥。
内陸の学生は、就職が難しく、北京・上海の都会に出てきても、
「蟻族」とよばれる生活を強いられます。
住居費が極端に高く、畳2条にもない空間で生息します。
会社側からは、優秀な人間でも、安給料で、沿岸部学生の半値です。
大学の先生に付け届けをして、何とかコネで就職できれば上出来です。
急いだ工業化とすべてを金銭で図る社会が、
農村を破壊し、とにかく「学歴」を、売りつけていたのです。
中国に、本当の企業家精神があるわけでありません。
それゆえ、海外の企業、海外の体験が必要だったわけです。
これは、中国に極端な形で出ましたが、実は、世界的な問題です。
大学で、何を教えたのか?
出来上がった社会の枠組みの中で、高給取りだけを目指した結果、
高給をもとめるだけで、自分から、未来を考え出せない若者だらけに
なりました。
中国では、国家副主席の習近平が、 中央軍事委員会の副主席にも
就任し、これで、次期国家主席が決定です。
これは、単に、太子党と見るよりも、 胡錦濤政権の全青聯(全国共産主義
青年同盟)による、国家の独占運営に、歯止めをかけるもの、と見るべきです。
全青聯は、都市部で大学卒のエリートの集団でした。親にも、共産党の
幹部が多く、この改革開放路線で繰り広げられた厳しい競争を、勝ち抜いた
人間たちの組織でもありました。
この人間たちは、日本の戦後を学び、輸出主導による工業化をまい進し、
そのために、海外資本も取り入れ、資本主義のあらゆる面を応用して、
数字上の経済発展を、進めたのです。
それに対し、軍部や太子党は、そうした競争に乗り切れなかったもの、あるいは、
負けたもの、さらに、もとより、そんな競争や、資本主義に、反対だった人間の
声を吸収しています。
大学で何を教えるか?
特に、人間が、その人生を生きるときに精神土台となる部分、
これは、社会に出るときの、動機付けの内容が、その後を大きく作用します。
これが一番のポイントです。
今の日本も同じでしょう。
不満を、国家大義の中で、爆発させる若者が増えると、
社会はより混乱します。
自分で、何を作り出すか・
誰から、何を学び、どう連携し、生きる現実を造るか?
全共闘時代の学生が、体制への反発はできても、何も創造できなかった
ことは、全世界が証明しています。
今は、未来を創造する、思想と行動体を、生み出さねばなりません。
単なる企業家、経済人の時代は、完全に終わったのです。
儲けを優先する企業は、財務体質を改善するために、世界中を動き回り、
よりやすく優秀な人材と仕入れをもとめ、税金や地域奉仕の負担の少ない
ところに流れます。
この企業に就職するための教育とは、初めから、多くの人間を
不用品の扱いにする運命を持っているのです。
すべての、人間を生かす社会を作り、その社会の一員になる教育ではありません。
私たちK2Oは、ここに解答を探します。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。