「円高」は工業化社会脱出を迫る『天意』。

本欄を立ち上げてから、何回も指摘してきたことがあります。
<< 文明の発展段階 >> のことです。
この視点を忘れ、これまでどおり、国家政策を「雇用」を中心に考えると、
完全に、裏目に出ます。
今の日本国民、とくにマスメディアは、まだ明確に認識していませんが、
日本の社会は、もはや、工業化(都市化)での発展=「文明のスタンダード」の段階を、
すでに通り越しています。
新しい文明段階は、人間個人誰もが、自分の未来の設計図を自分で書きながら、出会うヒト
との全人格的な信頼関係によって、その設計図どおりに、現実を創造していく時代です。
自分と関わる人間と、共通する事実と現実を再確認し、ウソのない情報で繋がった個人同士で、
生存と繁栄のために、新しい社会的関係性を、進んで、築き上げる段階に入っています。
IT技術の発展と普及は、さらに、この段階への移行を、加速させていきます。
国家でなく、純粋に、自分にとって、真に大切なものを、探しあい、育てあう関係です。
 これは、<<新文明>> です。
それに対する一番の抵抗勢力は、これまでの工業化の推進段階で、多くの制度(補助金)をつく
る時に、それに依存してきたものと、その制度の維持管理で生計を立ててきた人間、すなわち、
公務員たちです。
ここを突破するには、あたらしい哲学と、正しい時代認識、文明観が、大前提となります。
>>> 参考までに、すばらしい情報を
 島根県の隠岐島での地域振興策です。
 ここで、今、面白いことをやっています。

後継者不足の農水産業に、島外の若者を呼び込もうと、そのための定住・訓練の費用を島が出し、
島ですぐに新生活を始められるように環境を整え、特産品を加工し、新たな販路を開拓する。
肝心なことは、そのための新規事業の奨励資金を、
なんと、島の公務員の給料を3割カットして、これをひねり出したこと。
「この島を、なんとか守りたい。」
全島の人間が、この心で一致しました。
ここが、本当に、郷土愛のあるかどうか、の分かれ目でした。
そして、新規に入った若者達と共に始めた新規事業が、いずれも軌道に乗りだしました。
民主党が、これと同じことを、全国の政策として言い出すことができるでしょうか?
今、工業製品を作る企業は、グローバル化の中で、どんどん、海外移転します。
海外には、新たな市場もありますが、雇用面で見れば、月給5万円を出せば、大学院卒で、
日本語、英語、現地語ができ、さらに、会計が分かり、パソコンを使いこなす人間は、
インド・バングラにも、アセアンにも、たくさんいます。
日本にとって、未来を考えるときに、基準とすべきは、
もはや、工業化 ではありません。
 日本の国土、日本人の暮らしぶりそのものを、芸術化する。
そして、
 「自分こそが、1億2千万分の1の日本を、新しく生み出していく最初の一人だ」
という自覚が、ホンモノの郷土愛・祖国愛になります
>>> まあ、この議論の前に、絶対的に逃れられない事実を、指摘しておきたい。
 日本の首都圏、関西圏、名古屋などの大都市圏の地価は、今後、どうなるか?
 リーマンショック前の、2006年ごろの水準にまで、地価が戻ることはありえるのか?
 もう、アメリカにもヨーロッパにも、土地価格を上げるための投機資金はない。
 なにより、都市のマンションやオフィス需要が、もうそのレベルまで回復することはない。
よって、
「成長政策」の対象は、工業化でも、都市化でもない。
 こっちにいくらカネをかけても、無駄。 徒労。 仇花。
 まっすぐに、目を向けるべきは、世界中の誰もに、
“愛され、憧れを持ってイメージされる”素敵な、生活空間つくりです。
 お年寄り、高額所得者(国内外)、働く女性達、芸術家が、
 
 こういう空間、こういった暮らしぶりが、あれば、そこに棲んでみたい、
 と感じさせる、実態(関係性)つくりにあります。
 そのための情報共有、情報処理のソフトを、どんどん、強めることです。
 「いつまでも、日本人を、資本のための、道具にするな。」
 今の円高が、突きつけている『天の意志』は、実は、これです。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。