靖国神社に拘る限り、日本人は世界の指導的立場になれない。

 靖国神社は、日本の明治維新のときにできた、極めて政治性の強い神社です。

すでに、何回も指摘してきましたが、長州藩の東征でイノチを落とした人間を、神として扱うのが始まりでした。

そして、戊辰戦争のあと、中央集権の近代国家「日本」ができたのですが、このとき、国家の中心に、あらためて、バージョンアップした「天皇」を据えました。日本の霊性の体現者という側面ではなく、日本国家権力の枠組みの中心存在として、絶対権力の立場を作ったのです。

明治天皇は、二人いました。 孝明天皇の実子、睦仁 と、 伊藤博文の弟分、大室寅之祐。

問題は、こうした体制を構想し、実現できるように、影で根回ししていた集団がいたことです。

彼らが、「ええじゃないか」運動を起こし、また、勝海舟にアメリカに行かせ、

万世一系の「天皇家」を創作します。 皇室典範を作らせたのも、彼らです。

中央銀行をつくるアイデアは、ロスチャイルドからのもので、明治維新そのものが、金融資本の動きと一体なのです。

そのとき、もっとも活躍した財閥が、三菱、三井、住友です。

国家の経営資源を中央に集中させ、殖産興業、富国強兵です。

幕末まで、掲げられた「尊皇攘夷」が、いつの間にか、「尊皇開国」になり、

本来、あったはずの、「攘夷」のエネルギーは、東アジアへの、領土拡張=帝国主義になります。

このとき、「インフラ整備」「国民教育」など、イギリスやアメリカとは、異なって、単に、自分の犬になるエリートを育てるだけでなく、現地住民の民生の向上にも努めました。そして、日本の領土に入ったものは、天皇の赤子の流れを汲む、帝国皇民として、日本人と同じ扱いをするという方針でした。

 この中に、進んで、入り込んだアジアの人もいれば、それを嫌がった人もいます。

私たちは、アジアをみるときには、この部分、戦前の日本の「皇民化」政策に対し、歓迎と拒否という二種類の人間がいた事実を、まず、きちんと認識しておきましょう。(戦前を美化しているようでは、ここは見えません)。

 前者は、まだ、王権が、確立していなかった地域に多いです。ポリネシアの島嶼地域、モンゴル、台湾です。

一方、始皇帝以来の中華皇帝の権威を引き継ぐ中国人、そして、その臣下の立場をつづけた朝鮮半島の人たちには、明治にできた日本の近代国家の権威そのものを嫌う人間が多くいました。 

 倭人の国。 「日本」は、 中華皇帝の権威にあって、卑弥呼時代に、正式に、「冊封」をうけて成立したもの、というのが、3世紀から、19世紀までの、彼らの理解だったのです。

 日本の明治維新では、孝明天皇が「攘夷」を棄て「開国」を意識したときは、実は、西欧列強に負けず、しかも、東アジア全体から信頼される国をつくるためでした。 このことを、海外華僑も、ブルネイにあった明の亡命政権も期待したのです。だから、元号では、「明(みん)が治める」だったのです。

 そのなかで、18世紀末から日本から流出した金塊が、日本で使われるようになりました。

このときの日本の名義人(代表者)は、もちろん、大室寅之祐ではありません。

今の、安倍政権の人間は、こうした事実をきちんと知っているのでしょうか?

京都に隠れていた本物の明治天皇、睦仁さんの心をです。 

日本に「天皇」が誕生したのは、7世紀です。 これは、天武の時代です。そのあとに、皇祖神「アマテラス」が不比等と、持統によって、創られました。 691年から3年間に、持統が吉野に31回も通ってる中で作られた「政治概念」です。 これが、明治になると、「アラヒトカミ」になりました。この神の変革には、光圀以来の水戸藩が、重要な働きをしました。

 そして幕末期に参考にしたのは、495年にバチカンが成立した時の知恵です。ローマ法王が、「神の代理人」になったときの知恵です(実際は、勝手にいいだしたものですが)。 このとき以来、日本の皇室は、実は、バチカン、なかでも、イエズス会とは、極めて親しいのです。これは、「政治的に創られた神を、どう育て、使うか」という視点での話でした。

 明治維新は、明らかな日本版「文化大革命」でした。しかし、その中に、伊勢を参拝する「天皇」の「創出」、「大宝律令」以来の神聖さの継続性があります。

 ここまでは、だれでも、わかります。

問題は、そのなかに、縄文以来の日本としての独自性が、どのように吸収・継承されてきたかです。

そして、アレクサンダーのとき以来、海外の「文明」を日本列島が、吸収するときに、中国と、朝鮮半島とは、どのような関係があったのかです。天皇ができるまでの、日本列島での王権の発生や、日本での神格の問題です。

 「うちの先祖が、天皇を創った」という「奥の院」のかたは、「日本国は、半島、なかでも、北朝鮮に対し、負い目がある」とも、話していました。

 さて、それは何なのか?

 天皇を最初に名乗り、国名を「日本」とし、「太一」を、祭ったのは、天武でした。

この人間に、多くの秘密が、凝縮されています。

この辺、私のこれまでの講演会でも、話してきましたが、それと、いまの、国際情勢が絡みます。

靖国神社は、もう、役割が終わってます。

横田めぐみさんが、世に出るときが、東アジアに、紛争がなくなるときです。今、そこへの最後の「動き」のなかにあるといえます。

 しかし、明治にできた日本国家の「枠組み」は、国民のイノチを大切にしません。マネーのために、美しい山河を平気で、破壊します。ここには、縄文の感性はありません。

 この部分は、「奥の院」のなかでも、ニギハヤヒ直系の方たちが強く危惧していますが、私たち日本国民が、マネーと国家をどう見るか、主体的に考え、未来を真剣に作り出すと決意しない限り、主導権を回復できません。

 希望をすてず、使命感をもって、毎日、まずは、自分と家族・友人・仲間のイノチを支えあうことから、「いい今」を創りましょう。カネは、そのために使いましょう。

 試練は、続きますが、これが、羽化の苦しみです。 

(いろいろあるけど、今日はここまで)。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。