50Hzの電力域《東日本》は、もう、計算された経済活動ができない。個々に独立するしかない。

 今の福島原発の事故が、何をもたらすか、そして、今、何がもっとも深刻な事態か?
 放射能漏れが、どんどん起きている状況ですが、一体、何を、電力会社が、
 七転八倒しているのか?  専門家から聞きました。
1) もっとも避けること
   原発が、炉心溶融(メルトダウン)ののち爆発すること。
   これは、核爆発と同じ。
   そうさせないために、とにかく冷やすこと。 
2) これには、とにかく、冷却水を入れること。
   すでに、海水を入れることを決定し、実行中。
   しかし、これで、福島原発の廃炉が決まり、送電量の低下が今後もつづく。
3) 50Hzの電力を供給する、静岡以東の東日本で、東京電力と東北電力とで、
   すでに少なくなった電力供給量で、社会生活に必要な電力を何とかやりくりする。
   しかし、これには電力システムに流れる電力量の著しい減衰が生じているために、
   制御系統がパニックを起こしかねない。
4) 電力供給という流れを維持することは、病院の維持や食品の保存、エレベーター、
   信号、輸送手段、空調など、絶対的に必要。
  これを電力の流れを管理する操作パネルを見ながら、送電途中にある個々この変電設備に
  過剰な負担がおきないように、「こっちにまわせ、そっちはストップ、あっちは抑えろ」と、
  サーカスのようにまわして、事故が起きないようにつないでいる。
  この結果が、   「計画停電」。
5) すべては、これまで大いに煽って増やしてきた日本人の電力需要に対し、いきなり、
  そこに対する供給量が、極端に減ってしまったことが原因。
  いっそのこと、病院、公共施設、生産事業など、はじめから業種を選定し、それ以外
  の電力供給をすべて、完全に控えさせるくらいの措置が必要な事態になっている。
6)爆発につながる炉心溶融は絶対に避けなければならないが、原発自体がなくなることで、
  当然、需給バランスは崩れ、新たに「絶対的供給不足」が始まってしまう。
  今ここで重要なのは、この電力供給の全体のシステムがパニックになるのを防ぐこと。
  ひとたびパニックになったら、もう、制御システムが利かず、正常なまま多くの発電所と
  電線が残っていても、もはや、電力は、完全に供給できなくなる。
7)よって、最悪の深刻度から言うと
  ワースト が、 原発の爆発。
   つぎが、   電力供給システムの崩壊。
   そして、この間に、放射能漏れは、程度の差はあれ、どうしても出てしまう。
 これが今回の福島原発に関して言えば、原発3基失われることで、東日本全体の安定的な
 電力供給体制が失われ、計画的な生産事業用の電力供給は、今後は一切、できなくなった。
 一般の、通常の暮らしの維持(のための電力)だけでも精一杯。
 これが、東日本の今後の実情。
 メルトダウンによる爆発を回避できたとしても、処処に放射能汚染をひろげることは
 避けられず、その上で、前向きな新規の大型事業へは、もう電力は供給できない。
 さらに電力供給の制御システムが壊れてしまっては、電線も発電所もまったく意味がない。
8)これは、人間生活に、完全な変更を強いることになります。
 
  《オール電化》なんて、まったくできない。
  これはもともと、電力会社に電力供給に、十分の余裕のある時にやること。
  一人でも多くの人間に、昔ながらの薪ストーブや、自律自立型の独自電源(太陽、風力、
  水流、燃料電池)を持たせることを、国家目標にしないといけない。
  中央集中型の旧システムへの依存は、もうダメ。物理的にできない。 
  小規模分散、自律自立型の電力システムにするしかない。
9)今の東日本は、こうせざる終えないことが、決定。決定済み。
  原発2~3基分の供給量を、東電がいつ回復するか、未定(時間、資金、世論ほか)
  
  関西や九州でも、地震で、原発がやられれば、まったく同じ。
  旧システムの不安定さには、なんら変わりがない。
10)しかし、それにしても、
  人間が住めなくなるほど、社会基盤、あるいは生存環境を壊してしまったら、
  どうしようもない。 それが、爆発を伴う、メルトダウン。
  それだけは避けようと必死になっているのが、現在の東電だが、漏れた放射能が、
  どれだけ人的被害、健康被害が出るか、は想像はつくが、今は最優先には入らない。
  これが実態と。

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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。