まもなく令和時代。天地と人類。今、天意はいかばかりか?泰山は大陸と大海とを含めた地上の重心。イノチの吹上げをしないと。

今から2200年以上前、項羽との戦いで、まだ、最終決着の前、劉季(劉邦)が、始皇帝の長男扶蘇の子の子嬰から玉璽を受け取りました。そして、孔子の故郷に行き、そこに孔子の霊を弔った。その上で孔子の魂は今も天上にあって、「天の下、統一されるべし」と永遠に輝きつづけている、と「欞星」を祀った。
私の見たところ、劉邦の血縁者とそのゆかりの人間が、応神時代までの日本列島に色濃く入っています。単なる漢人(あやひと)ではありません。大変な教養人たちです。しかし、それを徹底的に隠していたのが、唐(太宗、玄宗)と不比等です。
中国での元号の始まりは前漢武帝劉徹の時からです。劉徹はBC110に泰山に封禅したが、このとき参列しなかった衛氏朝鮮に征伐軍を出します。このとき、列島にも一部の軍が来たのではないか? 
そのあとに、列島には皇帝位を簒奪した王莽の貨泉が持ち込まれ、岡山を拠点に広めようとしたが、全く普及しなかった。王莽を倒した後漢の劉秀は中々皇帝にならず、光武帝に即位した後も泰山封禅を躊躇っていた。その間、各貴族豪族が抱える奴隷を解放し、寺子屋を設け、国内の生産力と識字率を急速に引き上げた。その徳治の姿に、列島からはAD57年に九州北部の倭奴国王が行き、金印をもらった。その一か月後、光武帝は崩御。そのあと後漢には西から仏教が入り、その思想体系は民間の道家を刺激し、道教思想の体系化を進めさせた。さらに徐々に「救世」の概念も生まれてきた。それに伴って1世紀の終わりには梅も西側から入ってきた。
しかし、6歳の安帝が即位すると国内が狂いだす。そうなることを見越した人間が日本列島にもいたのでしょうか?安帝の即位に合わせてAD107に朝貢したのが倭王の帥升です。このとき生口(奴隷)を160人を捧げたと言いますから、この人物は元は大陸出身で列島にきて、倭王を名乗ったのかもしれません。私はこの人物のことを、和風諡号で「クニオシイリ」と表現しているのではないか、と考えます。その20年後ぐらいに日本海側には高句麗系の豪族(イカヅチ)も入っていますが。
記紀の和風諡号では、そのあとに「フトニ」、そして「クニクル」です。「フトニ」の「二」に日本書紀で「瓊」の文字が使われていることが重要です。次の「クニクル」ですが、これは、日本列島にきちんとした統治体をもたらすきっかけになった人間が来たことを指している。これが私の説。で、その人とは、だれか?
ここではヒントのみ。このことと、宇佐、宇治、許のクニ(山代)が関係します。魏志倭人伝にある「鬼道」とは「五斗米道」で、その祭祀が『鏡と剣』であることは、福永光司さんが陛下にご進講済みです。その五斗米道の勢力を、曹操も諸葛亮も取りこもうとしていた。曹操が献帝を許昌に連れてきたのが196年、公孫康が帯方郡を築いたのが204年、曹操の死が220年、諸葛亮の死が234年9月。この年の4月に、山陽公に格落ちした後漢の献帝劉協が崩御しています。
列島のどこかにいた卑弥呼は、魏志ではこの4年後の景初2年(238年)6月に帯方郡に難升米らを派遣したのですが、これを、唐代にできた梁書も日本書紀も景初3年(239年)と記しています。これがどうしてちがうのか、これを徹底的に考えたところから、私の歴史探求が始まっています。
 さらに日本で元号が始まったのが645年の孝徳の即位からで、これが「大化」。このときには、その2年前に宇治の木幡神社に訪れた天神(明神)が初めて宣揚された。しかも、そのあとに曹操の血を引く高向玄理と僧旻が国の博士になった。この時から始まったのが日本国の元号であり、白雉、朱鳥、大宝のあとはずっと続いて、今年の5月からは「令和」になります。もしかしたら「令和」が最後の元号になるかもしれません。
 大陸と切り離して、列島だけを小さな天下にする。これを実現したのが、不比等。この人物は、大阪の枚岡神社で「アメノコヤネ」の名前で祭られた。神となった不比等は、764年には藤原4兄弟の一人、房前の息子の永手によって、奈良の春日社がそれまでの祭神の武御雷に3柱を加えて春日大社になるときに、ヒメカミ、フツヌシともに加えられています。
 フツヌシは物部の祖神で香取神社からの勧請です。ではヒメカミは?これは、宇佐神宮説を私は支持します。理由?宇佐の奥宮になっているご神体山の名前からです。
725年、聖武の勅命で宇佐神宮に社殿ができるとき、すでに大宝律令も古事記も日本書紀も完成していました。このときから、日本列島に生きる人のための統治体の神が始まったのです。それが、元は実在の人間だった、神上がりした「ホムダワケ」。
 しかも、このときに、神代から続く「万世一系」の天孫族がいて、権力と権威を上手に分ける手法で藤原貴族の絶対的地位が固まり、天皇は「姓名がなく」、政治的に雲上人となって、それを疑ってはならないという約束事によって、列島の民を統治体に取り込む、大きな網が出来上がったのです。
 しかし、今はもうこの網はボロボロです。もういちど自由で伸びやかな大八洲に戻しましょう。今の網は、列島のイノチを潰すばかりです。人類の課題を解決する知恵があっても、それを世に出さない、出させない仕組みのままです。
どうも、そうした構造に気づいていた世界の叡智たちが、ようやく客家の「梅」とととも、その網をほどきに来ているのではないでしょうか?
 天意は、いま、どこにありや?これを聞いてきたいと思います。
人間が造りだした網(これはマトリックス)は、もう破れるが、果たして、天網やいかに?、


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この記事を書いた人

新井信介

1957年長野県中野市生まれ。東京外国語大学(中国語専攻)から住友商事を経て独立。中国の改革開放に立ち会い、独立後は西欧世界にもネットワークを構築。地球史の視野で、国家・宗教・マネーの意味と構造を探り、個人の可能性(想像性・創造性)と、普遍的文化価値を探求している。そのために、『皆神塾』を主宰し、会員制の『瓊音(ヌナト)倶楽部』も立ち上げて、研鑽を深めています。